大阪は冬の終わりが近ずいたようだ。少しあたたかい風がふいていた。
DX杯開催日の午前3時、アニキはわおさんと一緒にケロヨンの車で飯能までいく予定となっている。
わおさん。一見ポーっとしているが関西レンタルカートHP界の大将!(いや、レンタルカート専門というわけではないが。笑)過去にマリブ系グランプリでブイブイいわせて、いきなりKTカートに参戦してヒーヒーいってる心優しき兄ちゃんだ。全国のレンタルカータよ。うなぎを喰って東西戦に参加したかったら彼にメールしよう。
でっ、ケロヨンが用意してきたのが、どこぞでひろってきたゴミのようなシーマを、エアロでかためマフラーを起たせ、車高を落とした「暴走族使用」だった。
「あっちゃー」
アニキは内心舌打ちした。一番のってきてほしくなかった車である。いい年した大人が乗るような車じゃない。自分は馬鹿でーーす!って周りにアピールするような恥ずかしさ満点の車である。
「なんで、これなの?」
「いいだろ。これだったらDX杯に参加する人らに見せびらかせるだろ。ふふふ」
すでに返す言葉がなかった。
どうもこいつの美意識とは、銀河系とアンドロメダ星雲の距離ほど違うようだ。
論争にもなりそうもないので黙って車にのりこみ出発。
いつものようにウダウダと車内で騒ぎながら名神大津の付近に入って気がついたのだが、運転しているケロヨンがちょっとおかしい。なんか運転があぶなくなっているのだ。それでも120キロくらいはだしていたのだが、どうもハンドル操作がぎこちない。
するとおもむろに
「疲れた。運転代わってくれ」
「?」
ちょっと驚いた。こいつはたかだか二時間くらいの運転でそんなこという奴ではない。出発前まで仕事をしていても、いきなりそんな事はいわない男である。へんだなーっと思いながら休息所で運転をかわった。
ハンドルをもつなりアニキは叫んだ!
「なんじゃこりゃ!」
ハンドルに遊びがない!道路のデコボコに思いっきりハンドルがとられる!
とてもじゃないが、あぶなくって運転ができない!急遽、次の休息所で止まる。
しげしげと車を確認していると、なんと!
前輪が沈みまくりタイヤとすりそうなのだ。ついでに後輪が目一杯浮き上がっているぞ!
いわゆる「ホットロッド」状態になってる!
どうやら前輪のエアサスの空気が抜けたようだ。
「あらら、エアサス車の車高を落とした車では、たまにある現象だな」
「直るのか?」
「うん。ちょっと前になった時は、ほっといたら直った」
「!」
おいおいおい!そんな前科のある車を乗ってきたのか。
その時に直せよー。
アニキは心でつぶやいた。
「でっ、いつからハンドリングがおかしくなっていたんだ」
「うーーん。京都の手前かな」
その時点で引き返す判断はできなかったのかー。
アニキは心で叫んだ。
「でっ、この状態でどうするつもりだったんだ」
「いけるとこまで行こうと」
「おのれの脳ミソにはシワがないのかーーーー!」
アニキはついに口で 罵声をあびせた。
「うーーん。なんとかなるかと」
「途中でサスがとれたらどうするんだ。死ぬぞ!このままいったら死ぬぞ!そうは考えないのか」
アニキはケロヨンの胸ぐらをつかまえてゆさぶった。
「うーーん。ちょっぴり反省かな。へへへ」
アニキは頭をかかえた。
もういい!このサル野郎。俺に運転させろ。
自分の命は自分で守る!
アニキは高速道路を60キロののろのろ運転で先を進んだ。隣のケロヨンは電池が切れて寝ていたので余計腹がたったが、とりあえず名古屋の知り合いを、午前五時という非常識きわまりない時間にたたきおこして、「暴走族仕様」から「ホットロッド仕様」に変身したシーマをあずけ、一路新幹線で東京へむかった。
はぁーー、頼むわー。
爆睡をかまして東京につくと、なんとタイミングよくわおさんをの携帯にJARAさん、ゆうこさんから車で一緒に飯能にいきませんかという、とても有難いお誘いがあった。断わるわけがない!東京から飯能まで電車でいくにはつらいのだ。
JARAさん。音楽バンドにいそしみながら、カートのことになったら頭に血がのぼるのだろう。今回のDX杯のことをしると、仕事も私用も全てをなげすてて参加してきた熱い男だ。大丈夫か?
ゆうこさん。奥さんなのだが、アニキが参戦の誘いをしたとき、愛想で「キレイ」っていったら、鼻に指つっこんだ写真をおくりつけてきやがった。なかなか話のわかる人だ。(謎)
さて、そんなキレた?夫婦の車にのせてもらい飯能にやあーーとっ到着。ありがとうございました。
ふふふ。
きたぞーー!ラー飯能。
思いおこせば、一年前の第二回DX杯、初出場ながら惜しいところだった。半年ほど前の第三回は自然との戦いになってしまった。今回はやったるでーーーーー!
しかぁーーし!
今回の参加チームはレベルが違うのだ。
レンタルカートDXというHPは有名なのだ。でもロムしている人がやはり多い。
ロムってる人らにもいろんな人らがいると思うのだ。カートに関しての完全初心者から腕自慢の人らとか。
今回はその腕自慢の一部が去年の「無限プレイングカートフェスティバル」を通じてゾロゾロでてきやがった。
これはとてもいい事なんだろう。
だいたいホームコースが違うレンタルカーターが交流する機会なんて 、引っ越しでもしてホームコースを変えんかぎりそんなにない。ましてやレースをするなんて、これがなかなかできるもんじゃない。
前にもいったが、カーターがホームコース以外でレース出ようなんて、それなりの腕の自信がなければ出てこない。いきなり知らないコースにいって地元勢相手にレースにでたって、恥とはいわんが単に悔しい思いをするだけである。
「いや、他のとこいっても俺は勝てるよ」っという人がいたら、そういう人はさっさとF-1を目指してほしい。こんなところでふんぞり返っている場合ではないのだ。それが世のため人のためになると思ってほしい。
断言してもいい。
たとえミハエル・シューマッハがこようと、練習もせずにいきなり平塚なりアップルなりラー飯能のレースにでても勝てるわけない。それなりの位置にいくかもしれんが。
当り前である。そのコースの常連らは、日夜ああでもないこうでもないと、一つ一つのコーナーを削ってベストラップをたたきだしているのだ。それはそれは、膨大な努力をしている。
ただ、これもはっきり言えるのだが、たいがいの人は、努力すればそのコースのレコードラップにかなり近いとこまではいく事ができる。(腕もそうだが、マシン、体重への努力を含めて)それが一月後になるか一年以上かかるかは、なんとも言えんが必ずできる。カートは一部特殊な才能ある人らでなくても勝てるチャンスがあるのだ。
そんなコースに対するハンデがあるもんだから、地元以外で走ろうとすると結構躊躇してしまうのだが、アニキは悔しがる事?が好きなのだろう。時間と金さえあれば何処へでもいく覚悟?はできている。有難い事にDX杯は地元じゃない参加チームが多い。ついでにHPならではのOFF会のような気軽さもあり足をはこんでしまう。
他にも各地でコースオリジナルのレンタルレースとか個人主催のレンタルレースがあると思うのだが、よくはわからない。知っているなら教えてほしい。アニキの「いつかたたきのめしちゃる!リスト」に入れておくから。
知っていると言えば仙台SUGOで行われている「Q!Maruspecial Cup」という素晴しいのがある。特に「8時間耐久」なんてヨダレ物なイベントがあり、ぜひぜひ参加したいのだが、いかんせん仕事とのからみで参加できていない。でも、アニキの「いつかたたきのめしちゃる!リスト」の最上位にランクされているので、なんとか近いうちに「仙台のお姉ちゃんと知り合うぞー計画」とセット?でいくつもりである。ふふふ。
他には、レンタルカートの最大の祭典という、「無限プレイングカートフェスティバル」なるものがある。こいつは掛け値なしで最大規模、絢爛豪華なイベントだ。でも、去年参加してみたが、あの「ゲストドライバー」はなんとかならんもんだろうか。せっかく、全国から腕自慢が集まってきてるのに、あのフロック要因はなんともなーーである。中にはプロドライバーと接っして嬉しいという人らもいるだろうが、ほとんどの参加者はせっかく高くない費用と時間をつぶして参加しているのだ。一分一秒でも長く走りたいのではないだろうか。前回書いたアニキの投稿で同じ意見の参加者より結構多くのメールをいただいた。接するといっても大した時間一緒にいるわけじゃないし、カーターなら、むしろプロドライバーの人柄よりも、その技量に感動するのではないだろうか。それならばプロドライバーのチームをつくって、我々(ちょっと図にのってる腕自慢)をたたきのめしてほしい。我々は思いっきり感動するだろう。マゾじゃないけど。
そのほうが絶対に底辺の支えになると思うのだが。いかがなもんだろう。
ついでにいうと大会趣旨にくどいくらい「怒らないように」という言葉がとびかっている。
これはそのとうり!
アニキはむしろ、当り前だと思うのである。レンタルカートのレベルでカリカリしてどうすんの。レンタルカートで勝てる勝てないは、はっきりと腕と努力の問題だとアニキは思うのですよ。けっして体制がどうのとか運とかの問題ではないのです。一回目は不運と言えるかもしれんが、何回も参加していたらわかると思う。腕があれば充分ひっくり返るレベルなんですよ。ましてや草ですよ、草。うん百万もかけて、自分の人生かけているレースなら、それなりに気持ちもわかるが、カートの最底辺のレベルで怒ってどうするの。それは、カートの問題ではなくてむしろその人の人格の問題だと考えております。でっ、大会事務局は怒ってはいけないというなら、それは各コースでのカートに関しての教育の問題ではないだろうか。趣旨を理解してもらうのもそうだが、日常的にマナーを知ってもらえるようにしなくってはいけないのでは。
カートの本質は黒白はっきりした世界である。勝ちゃ嬉しいし、負ければ悔しいのだ。喜びもすりゃ、言い訳もする。人生賭けたようなカリカリのレースじゃないんだから、草ですよーっという大らかさを知っていればオブラートに包む必要もないと思うのだが。
フェスィバルはアニキの「今度こそは全国をぶちのめしちゃる!リスト」に入っているので、今年も思いっきり参加したいが、どうなるでしょうなー。
しまった!思いっきり、脱線してしまった。(大汗)
もとに戻します。(媚びた微笑)
ラー飯能についたアニキらはさっそくコースを見てみる。
おー、おー。走ってる走ってる。
数台のカートがコースを疾走している。カートのエンジン音、タイヤの鳴る音、カートコース独特の油のまじった匂い。
いいなーーー。うんうん。いい。
よーし!さっそく着替えて練習だ。っと思っていたら、向こうから会釈をしてくる人がいる。
なんだーー、このお肉は?
今から走るのだろう。ヘルメットをかぶっていて顔ははっきりとわからなかったが、そのはちきれんばかりの体格は、よーーく、わかった。
アニキの頭の中では
お肉 = 最重量 = GOT氏 という方程式が成り立った。ピンポーン。当たり!
「やあ、どうも、どうも」
軽い挨拶のあと、GOTさんはいまから走行するためにコースにでていった。
っと思っていたら、なんやら集団でコースを歩いてる。先頭にはラー飯能のA社長がいる。
「!」
ピンときた。
「スクール」というやつだ。ラー飯能のライン取りから走り方なんていうのを教えてくれて、おまけに模擬レースを2回もさせてくれる、お特な講習会だ。
くーーー!
GOTさんの掲示板に、それっぽい事が書いてあったが、まさか本当に受けにきてるとは思わなかった。
本気だ。(汗)
今回の参加チームの中では、腕的には最強ではないかと噂される「GABU Factory RT」である。
茨城の「アップルフォーミラーランド(現地名 リンゴ農園)」の最強チームといっていい。
ハッキネン前田さん、ひつじさん、にんじんさんと去年「無限フェス」で実力をかいまみせた連中だ。
しかし、その最強チームでGOTさん一人が、今回デマかせでやるはめになった「デブ専杯」に異常な執念を見せている。
何故だろう?
そんなに、「日本一のデブ!」の称号がほしいのだろうか。やはりマニアなのだろうか。
うーーん。考えていけば、だんだん怖くなってきた。
ほっておこう。(汗)
で、スクール風景を眺めていたら、うん?どっかで見た顔がいるぞ。
去年もてぎで見たぞ。おいおい、デスクラッシャーさんだ!
なんで、あんた、スクール受けてるの?
今回、唯一の地元チームである(マイカート保持という意味で)「クラッシュ&スピン」チームのメンバーである。
まーーさーーかーー。この後におよんで、ラインがわからないなんて事じゃないだろうな。
まーーさーーかーー。いまさら、自信がないから教えてもらってるなんて事じゃないだろうな。
まーーさーーかーー。ラー飯能のA社長が好きで、いつまでもそばにいたい・・じゃないだろうな。(汗)
なんにせよ、謎の行動である。
今回の「クラッシュ&スピン」は強豪がくるっていうんで、オリジナルメンバーが揃わない事を利用して、恥も外聞もなくメンバーを揃えてきた。だいたい第三の男ってなんだ?こんな氏素性のはっきりしない人間をそろえてまで勝ちたいのか!まさか、住所も不定じゃないだろうな。
LUKEさんの腹黒い面が存分に出ているではないか。
なに。アニキにいわれたくないって。
・・・・・それもそうだ。いや、すまん。
そう、実は「不良オヤジ」チームも今回、エースであるカズートが、なんやら知り合いのカーターのお手伝いでこれなくって(自分のじゃないところが実に情けない。パシリ人生まっしぐらである。ああ、カズート)、すぐさま地元カーターのネルソン・ペケさんをスカウトしているのだ。
穴うめはそれ以上のもんでうめる。
ふふふ。
しかも、ペケさんとこで宿泊することまで決めいるのだ!
腹黒さなら誰にも負けん!エッヘン!
さらに、アニキはDX杯の始まる前までDXの掲示板で、「いやーー、うちはボケ老人の会ですから」とか「いやー、皆さんお強いですから」なんて卑屈極まりない書き込みをしていたが、そんな事は全然、思ってもいない!
はっきり勝ちにきてるのであーーーる!
当り前だ。負けるとは思っていないのだ。
「GABU」と「サイドバイサイド」と「クラッシュ&スピン」と「羽生五虎将」は今回DX杯にきているが、他に平塚の「羽」さんとことか「仙台の畳屋」さんとか「ウナギどころさん」とか関越の「獣友」さんとか、飯能の「妖絶日本」さんとか、みーーんなに勝ちたいのだ!どこにでも勝つのだ!
グゥワッハハハハハハ!(イッテる目)
あれっ・・・・・(大汗)
言わんでもいい事を言ったような・・・・あら・・・・
忘れてくれ!(BY鼻水)
ねっ、やはりカートは楽しくなくっちゃねーーー。和気あいあいとなごやかにねーー。
そそ、親睦が第一番。ねっ、ねっ。・・・・駄目かな。
さて、そうこうしてる間にペケさんとコースについて語っていると、デイジーさん御一行到着。
相変わらず社会生活不的確者の匂いが感じられる。うんうん。いい雰囲気だ。
デイジーさんは今回、参加しない。いろんな考え方あるだろうが、参加してもよかったのにーっとアニキなんか思ってしまう。こればっかりは仕方ないのかなー。
DX杯は有名になって大きくなるのはいいのだが、それを受け止める器が小さくなっているのだ。ラー飯能で用意できるレンタルマシンが十台。つまり十チーム参加すればそれ以上参加できないのだ。現在、日本各地にあるレンタルコースで、やはり使用できるマシンの台数は多くって十台くらいなのだ。アニキが知らないだけかも知れないので、それ以上台数がそろうところがあれば、ぜひ紹介してほしい。なんの後ろ楯もなしに、こういった手作りの草レースを育てていくのは、やはりどこかで限界があるのだろうか。せっかく各地の有志が集ってきているのだから、なんとかしたいもんである。
そんな事を考えながら、デイジーさんらと受付作りをしていたら、空模様が実に怪しい。
雨がパラパラッと降ったりやんだり。
実はアニキとケロヨンらは練習走行を何回かしていた。
最初ポーーンと36秒台前半できて、このまま練習重ねて34秒に近ずいていこうと思ったおり、雨がふるのだ。
おかげで二回目38秒台、三回目40秒台と、ますますラップが落ちてくる。
路面も濡れているのが、ハッキリわかってきた。
「おお、絶好調だ!」
ケロヨンである。
何がいいのだろう?
雨でどんどんラップが落ちていくなかで、何がわかるのだろうか?
きっと、彼にしかわからないセンサーがついているのだろう。
問題はそのセンサーというのは、間違いなく世間では通用しない尺度をもっているんだろう。
こういう手合いは、春になればふえてくるんだが、どうやらこいつは年柄年中そうみたいだ。
ほっておこう。
そうこうしている間に、いつのまにか周囲は結構な人出になっていた。
何人かは知った顔もいるが、ほとんどは初対面である。誰が誰かさっぱりわからない。
でも、走る人はなんとなくオーラーでわかるもんである。そういう人があちこちといるのだ。
おーおー、やる気マンマンな雰囲気がただよってきたぞ。
中止か決行か判断が迷うところで受付が開始された。
チーム参加費、四万円を握りしめたアニキは受付をしているsiroさんにたたきつけた。
「ええか。金は払ったぞ!金を払った限りはレースは決行するんじゃ!」
品のない関西弁で決行をうながすアニキ。
「なにをお金なげてるの!」
っといいながら、しっかりと金の枚数を数えるsiroさん。その姿は守銭奴?
前から感じていたのだが、どうやらsiroさんは、こちら側の人間のようだ。
こちら側とはどういう意味か?
いや、だから詳しく言えばアニキ側としか言えん。(笑)
なにがなんでもレースがしたいアニキである。たとえスリックタイヤで雨の中走っても。
しかし、考え方が間違っている。別にデイジーさんらは営利目的でレースを運営している訳ではない。むしろボランティアなのだ。金を払ったからなという論理は通じない。ついでに言うと主催者として全体への責任を持たねばならない。アニキはおもしろいと思うのだが、さすがに雨中のスリックレースが全チームができる状態ではない。
雨はふったりやんだりしながらも、すでに路面はハッキリと濡れている。
レインタイヤをはめたマシンが五台用意されていた。
とりあえず、タイムトライアルである。
雨はやんでいたので、今のうちに走って路面が乾いてくれればいいのだが。
エントリー順にチーム毎にマシン三台で走って、合計ラップを競うのだ。
雨はとても心配だが、とにかくDX杯ははじまった!
やぁったるでぇーーー!
エントリー順ではじまったので、路面が濡れた状態だが、まずは「クラッシュ&スピン」から。
このチームである、去年の「無限フェス」では哀れみと同情までしてやったが、まんまと賞品だけはもって帰りやがった、アニキ的に許されないチームである。全国では笑いものでも、ここ地元では優勝候補だ。
さて、どんな走りになるかなーっと思っていたらだいたい41から42秒台でまとめてきやがった。おいおい第三の男速いぞ!くそー、やはりメンバーそろえてきやがった。
続いて「GABU Factory RT」。なんと!「クラッシュ&スピン」を上回ってきた。やはり、腕はある。リンゴ農園最強のメンバーだ。
続いて初心者チームと紹介されていた「Spining Crazies」。ふむふむ。44秒?。まっ、こんなもんだろう。
続いてやあっと、「真・不良オヤジ」である。
ペケ、アニキ、ケロヨンの順でコースイン。
おーおー、路面状態はレインだ。グリップが乏しい。気をつけて走らねば。
っといってるそばからスピーーーーン!
やっちまったーっと思って、再度立て直して、ベストラップを稼ごうとしたら
さらにスピーーーーーン!
もう、赤面物の恥辱である。
くっそーーーっと思った矢先にタイトラ終了の旗がふられてる。
げーーーーーーー!
おいおい。まともなラップないじゃないかよーー。
見れば、ペケさん、ケロヨンはうまくまとめたみたいだ。
やだよー。一人足ひっぱってるよーー。
ドキドキしながらラップ集計に目がいく。幸いにして一周目の43秒台がのこっていた。
よかったーー。
なんとか三位にはいりこめのだが、アニキがうまくやっていれば、上を喰えたかもしれないのに、っとすぐに考えるのは欲の深い証拠である。
ケロヨンに「9分の力で走らなっくちゃ」と言われた。まさかこの男に走り方を教えてもらうとは・・・屈辱の極みである。まるで人前で尻穴をさらすぐらいの恥ずかしさである。悲しい。
っと思っていたら、なんと雨がひどく降ってきていたのだ。
そういえば、メットが雨粒によごれていたな。全然気がつかなっかた。
そう、「真・不良オヤジ」から以下のチームは雨が降る中タイムアタックをするはめになってしまったのだ。
雨足は強くなったり、弱くなったりしたが、路面状態はさらにひどくなっていった。
つまり、以後のチームはラップタイムの上がらないかわいそうな状態になってしまった。
かわいそうに。フフン。(微笑)
しかし、その中で「サイドバイサイド」がはいあがってきた。さすがである。「無限フェス」二位の実力は伊達ではない。
ただ、同じく実力者であるはずの「羽生五虎将」が大ボケをかまして下位に沈んだ。
なんと、タイムアタッカー同士がブロックするという、サル状態を見せてくれたのだ。普通、考えればわかる事だろうと思うのだが、
どうやらサルを飼ってるいるようだ。
うーーん。このチームこんなんだったかな。(クスクス)
さて、なんとかタイムアタックは終了したが、問題はここからである。
雨足は強くなり、すでに路面は、もう、どうあっても乾きません!っという状態だ。レインタイヤの用意は5台しか確保できない。
デイジーさんは中止の判断と思っていたが、そこは人柄のいい人物である。なんと「デブ専杯」をやらせてもらえるとおっしゃってくだされた。
「デブ専杯」。
このいかにも恥ずかしい大会の正式名称は「全日本重量級王座決定戦」という、考えようによっては、さらに恥ずかしい名称だ。
カートというのは、科学的な常識として、軽ければ軽いほど速いのである。
アニキは体重80キロの重量級なのだ。だからカートをはじめた頃から、実に悲しい思いをしていた。
当然、こんなもん必要ではないっと思っていたダイエットもやってみた。しかし、骨がごついのだろう。一定のとこまでいくのだが、それ以上になると心臓やらなんやらがおかしくなってしまうのだ。高校生の頃、明日は学校を休もうと、一晩中パンツいっちょうでベランダにでてみたが、風邪ひとつひかない丈夫な体だ。立派な体格に生んでくれて両親には感謝している。
しかし!カートでは悲しい事ばっかりなんだ!
いや、言い訳の道具にはつかえたかな。へへ。
そんなアニキが、ある日、テレビでボクシングの試合を見ていてひらめいた。
そうだ、何故、体重別にわかれないんだ。
世の中、俺のように悲しい思いをしているカーターが必ずいるはずだ。
同じ体重以上なら負ける気がしない!
おお、俺は日本一の重量級カーターであるという事を証明してやるぞーーーー!
っというわけで、アニキがJAFにもFIAにもお伺いたてずに、勝手にでっちあげたしろものなのだ。
別に権威などない。気持ちの問題だ。
ふふふ。
さて、5台しかレインのマシンがないので、各チーム最重量の人らに集まってもらい、普通5名、重量級5名にわかれてもらい5分耐久?のレースとなった。
最初は普通組が走る。
ヨーイ・ドン。終わり。
たかだか70キロ以下の争いである。どうでもいいのだ。(ぞんざいな!)
これからが本番だ。
出場選手は
これはだれが見ても重いぞの GOTさん
重量級なのによくぞチャンピオンになれた masamasaさん
腕はわからんが、アニキはお笑いでは負けないぞ やまーず一号さん
君はこんなとこにでてはいけないよ。浮いてるぞ、男前の ジョーさん
そして、自信満々、いいだしっぺの アニキ
の5人である。
ジャンケンでマシンを選び。さらにジャンケンで決めたグリッドに並ぶ。アニキは三番手だ。
フラッグがふられる。
スタートはうまくいった。みるみるトップのGOTさんに近ずいていく。
やった。簡単にぬいたるぞー。っと思いきや第一コーナーを抜けて、第二コーナー手前で失速。
あっれーーーーー?
おいおい、ふきあがらないよ。何故?水はいったのか。
他の車にどんどん離されていく。
おいおい、まってよー、こんなはずじゃないよー。
おおおっと。スピーーーン!
えっ、なに、やっちゃったのー。おいおいおい。
あせったひょうしに逆走もしてしまった。
恥ずかしいよーー。
まってよーーー。くそっ、ふきあがらねえぞーー!
っと、いってるまに スピーーーーーーン!
プチッ。アニキはきれた。
ああーーそうだよ、俺はヘタクソだよ!
へへーーん。逆走なんてしちゃうんだよーーん。
ケッ、黒旗なんて怖くないよーーだ。
スタンドで見てる、おめえら!みせもんじゃねえぞ!
へへ、ファック・ユーじゃくそったれめーー。
ひゃははは。俺はワルだぜーーー。
レースは終わった。
読んでる皆さんは白熱した熱いレースの雰囲気はわかっていただけたでしょうか。
あなかしこ。
結果。
一位 GOTさん
二位 masamasaさん
三位 ジョーさん
アニキの野望はついえた。日本一を証明しようとして、馬鹿ヤローさをさらけだしてしまった。
完敗である。
しかーーーーし!
アニキは転んでもただでは起きない腹黒さである。こんなこともあろうかと、勝者にとびっきりの恥ずかしい賞品を用意していたのだ。そう、いやがらせである。
普段まともな社会生活をいとなんでいる方には、とてもわからない場所にある、とても怪しいビデオ屋さんで、もってるだけで人格を疑われるようなビデオを賞品として買ってきたのだ。
なんでそんな店知ってんだって?
・・・いや、それは、インターネットで・・・まあ、忘れてくれ。うんうん。(汗)
タイトルは忘れたが巨乳のお姉ちゃんが縛られておいたされるというヨーロッパの極めて変態ビデオである。他に「兄貴のぬくもり」という、その筋のビデオとどっちにしようか迷ったが、まあ、男より、やはりお姉ちゃんがいいかなーーなんて最後は親切心できめてしまった。アニキの人柄のよさがわかってもらえるところだ。
よかったねGOTさん。変態ビデオ。
うんうん。君は日本一速いデブだよ。
よかった、よかった。
ケッ!
(完)
じゃ、なかった!(汗)
本来ならここで中止の判断だったのだが、主催者が急遽最後までやろうと判断し、タイトラの順位で5台づつの30分耐久のDX杯が開催されることになった。
そう、いまから余興は終わって本番なのだ。(自分が勝てなかったからぞんざい!)
中止とあきらめていたせいか、形がかわってもDX杯決行となり参加者たちは盛り上がっていた。みなさん、やはり走りたいのだ。
まずは6位から10位のチームの争いだ。
タイトラでは雨のために下位になってしまった、
「Spining Crezies」
「ねこ足せぶん」
「ちーむ こまねずみ」
「Team ELT」
「羽生五虎将」(順適当)
以上5チームの不幸なチームである。
フフン。(微笑)
このレースで印象に残っているのはノンブレーキyuckyさんの速さである。一位チームの「Crash&spin」をかなり追い詰める走りをしていた。だてにパッチギ(注:ヤンキー用語 頭ツキ)の練習にいそしむだけのことはある。(謎)多分、秋が瀬でもブイブイいわせてるのだろう。何か人には言えない鬱積したもんがあの走りにつながっているとみたが、どうだろう。
それにつけても、羽生チームは笑わせてくれた。ジャンケンでそれなりに勝ちながら、デブ専を見ればすぐにわかるはずのハズレマシンを選んだのだ。
どうやら本当にサルを飼っているらしい。
こんなチームだったかなーーー。なんにせよ今後もこの調子で頑張ってほしい。ふふふ。
さて、いよいよAクラス決勝である。
ルールでは4人チームもいるので4回交代を義務づけられている。
とりあえず代理エースのペケさんをどこにもってくるかなのだが、30分の時間わりのために走れる時間が少ないし、作戦が限られてくる。
とりあえずケロヨン、アニキ、ペケ、ケロヨンの順番を決める。
グリッド順は
「GABU Factory RT」
「クラッシュ&スピン」
「真・不良オヤジ」
「サイドバイサイド」
「嵐を呼ぶ」 となっていた。
スタートフラッグがふられる。
おお、なんとかケロヨンは三位をキープできているようだ。しかし、ゆっくりと見ている場合ではない。わずか5分かそこらの時間割りになっているため、すぐに次のアニキは走る準備をしなくってはならないのだ。ケロヨンが入ってきた。アニキが乗り込む。雨とマシン差でコースはグチャグチャになっており、はやくも順位がわからない状態になっている。
うりゃーーーー!
先ほどの屈辱を取り返すために、必死のアニキである。第一コーナーはさすがに全開では進入できないが、他コーナーはうまく入れている。
マシンがあっていたおかげで、けっこうのれている。どこかはしらないが一台はパスしたぞ。
おお、俺は速いじゃないか!みんな見てくれー。さっきのアニキは本当のアニキじゃないんだよーー。
っとひとりよがりの陶酔感にひたりたかったが、すぐにペケさんと交代。
いけーー、マジンゴーーー!
さっそく、順位を確認しにタイムモニターの前へ見にいく。
おお、二位になっているではないか!トップは「クラッシュ&スピン」。タイム差は20秒くらい離れているぞーーっと思っていたら、その差がみるみる縮まってきた。やった、さすがペケさん。
すると、主催者から時間が押し迫ってきたので、30分から25分に短縮するとのお達しがあった。
げっ!
残り時間を考えると、うわー、ペケさんの時間を削らなくってはならない。ピーーーインチ!
仕方なくペケさんからケロヨンに交代。順位をみる。
各チーム作戦上、小刻みな交代を強いられて、交代によって順位が逆転してくる。はっきりした順位は最後の交代まで、ちょっとわからない。
どうやら、「クラッシュ&スピン」と「真・不良オヤジ」がトップを争っているようだ。でっ、その後、「サイドバイサイド」がひたひたと追ってきている。なんとまあ、油断のならんチームだ。「GABU」はマシン選択を誤ったのか、浮かんでこない。かわいそうに。フフン。(微笑)「嵐を呼ぶ」は自分らに嵐を呼んだようで、悲しいところにいた。
残り5分をきったところで、「クラッシュ」と「オヤジ」の差は13秒まで縮まるが、「クラッシュ」が第三の男に交代した。おいおい、速いぞーー。徐々に詰めていた差がひろがっていく。ついでに後ろの「サイド」がひたひたと追ってきてる。ケロヨーーーーン。大丈夫かーーーー!
レースは終わった。
なんとか「真・不良オヤジ」は二位に入っていた。
しかし、雨やらマシン差やらいろいろあるが、今回の強豪チームがひしめいている中で二位はうれしいはずなのに、何故かそれほどうれしくない。「クラッシュ&スピン」の三連破を許してしまったのだ。
くーーーー!
去年の「無限フェス」でアニキの「たたきのめしちゃる!リスト」からサクサクと削除したのに、また復活しやがった!喰えないチームである。
うれしさも中くらい。
でも、隣でケロヨンは「やりおったのーー」と「クラッッシュ」を称えていた。
なんて、素直な奴なんだ。単に脳天気ともいうが。
盛り上がった表彰式も終了し、アニキら一行はJARAさんの車に再び便乗して、ペケさん家でありがたい歓待をうけた。
JARAさん、ゆうこさんありがとうございました。
ペケさん、ありがとうございました。
このご恩はGOTさんにわたした「例」のもんでいいですか。
名古屋知人の家の前
「ホットロッドシーマ」が「超シャコタンシーマ」に変身していた。
「何故?」(汗)
「うーーん。後ろもエアーが抜けたみたいだな」
アニキはおもむろに車体とタイヤの間に手をいれてみた。
タイヤにこすれる直前である。
「こりゃ、駄目なんじゃ・・・・ないか」
「うーーん。かえってバランスがとれてるぞ」
やはり。こいつは常識の感性ではいなと思った。いや、次元が違う思考といったほうがいいだろう。
ケロヨンはおもむろに運転してみた。
「おお、こいつはカートみたいだ!」
「・・・・・・そういう問題か」
アニキはゆられながら、これでいいのかという疑問はあった。
しかし、つられていた。楽しそうだったから。
「このダイレクト感はたまんないなー」
「・・・・そうか」
ズリズリ
「超シャコタンシーマ」が道路を削りながら走ってる。
妙な金属音が聞こえてくる。
「いやーー、カートは楽しいなーーーー!」
叫んでる。
アニキもそう思う。
そうだ、カートは楽しい。
ズリズリ、シャリシャリ。
新たな異音が加わってきた。
カートは楽しい。
ケロヨンが楽しそうだ。
アニキは運転をかわってほしいと思った。
ズリズリ、シャリシャリ、キーーーン。
また違う音が聞こえてくる。
春はここまできていた。
次のイベントに続く