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■■第3回■■
レンタルカートDX杯
90分耐久レース
in RA;飯能

レース内容

レンタルカートを用いた耐久レース形式のイベント。
コースを3時間貸切り、90分間の耐久を行うつもりだった。

開催日時

平成11年8月14日(土)
午後6時30分〜9時30分
(午後5時30分集合)
にできればよかった

開催場所

フォーミュランド
RA;飯能

埼玉県飯能市赤沢1117
TEL:0429-77-3066

・・・の予定だった。

参加形式

原則としてチーム単位
(各チーム3人以上)
個人単位での参加は応相談...ということだった。

参加費用

お一人様:1万5千円
(ヘルメット・グローブ・上着等無料貸出し可)
のはずだった。

注意事項

次回もよろしくお願いします。m(_ _)m


ご質問はこちらまで
主催者:デイジー
daisy@ba.mbn.or.jp

DX杯中止記念投稿

雨の日はカートに乗って

アニキさんのHP

13日夜。大阪は晴れた星空の下、まちにまった関東DX杯に向け出発である。

「ひゃっほーーーーい!」
相棒ケロヨンはわけのわからん奇声を発してアニキを迎えいれる。中古車販売をしているというが、その実、ゴミのような車をひろってきては乗れるように直して格安で販売しているという。もう、販売価格は3万円からという信じられない値段の車を売っている。それで実入りがあるのだろうか?不思議な商売をしている男である。かくいうアニキもビデオ編集業という得体のしれない生業をしている。NHKなんかのドキュメントを制作しているというが、かなり怪しいもんである。噂ではかなり怪しいビデオを編集しているというが、それを問い詰めてもニヤニヤ笑っているだけだ。胡散くさい奴らだ。
今回、彼らが関東に向かうのに調達してきたのは日産ラルゴ、ハイウエイスター。ヤンキーセンスの入った日産が、商用車を今風にでっちあげた代物である。運転席はスポーツタイプ風だが、商用車特有のエンジンの張りだしが足元を圧迫している悲しい車だ。ついでに悲しいのがリアサスが板バネで、高速走行時どこまでふんばれるのか疑問なところだ。ま、日本では140キロもだせれば充分なので、これでいいのかもしれないのだが。

なぜにわざわざ関東くんだりまでいくのか、それは彼らがレース難民であるからだ。関西にはKTで走れるコースはそれなりにあるのだが、アニキはKTカートが嫌いであった。若いときにKTに乗っていた時期があったが、費用の面で断念してしまった。では今なぜ乗らないのか?問題はそのメンテナンスのわずらわしさだ。走るつどにメンテをするその面倒な作業がきらいなのだ。もう、タイヤのエアーを入れる作業だけでうんざりする、その面倒くさがりやの一端が見える。しかし一番の問題はKTカートにいけば、恐ろしく速い連中がいるからだ。何故かはわからないが、何処のコースにいってもやたらと速い奴がいる。なんか尻に神経が張り巡らされるDNAをもった奴が地域に万遍なくいるのだ。不思議な話だが、遺伝子って地域わりされてるのかと疑いたくなる現象である。勝つ事に執着しているアニキらは、そういった生まれつき差があるとしか思えない連中はさける事にしたのである。とても子供らに「努力すれば報われる」とは絶対いえない卑屈な大人の知恵である。困ったもんだ。そのかわり勝てそうな時は見苦しいくらい努力してしまう。かって彼らが走っていた「スリップストリーム大阪」においては、ノーマルクラスでありながらベルトの削りだしからプーリーの細工。レースごとの新品タイヤは当然ながら、圧縮比アップとエルフのレースガソリン使用と、見ためわからない姑息なまでの努力を払っていたのである。もうすでに社会人としてのモラルが疑われるような考え方である。実に困ったもんだ。しかし、いまやそのコースもなく琵琶湖いったり、アマドウーいったりと、ふらふらしながら現在三重県合歓の郷シリーズ参戦中の身である。でもね。いまは合歓の郷は稼ぎ時なのでレースないのよ。そんなわけでレース禁断症状のでた彼らは関東いきを決意したのである。狙うはDX杯。

「サイクリング、サイクリングー。ヤッホーー!ヤッホーー!」
彼等は今、車に乗ってるのである。他に唄う歌あるだろう!とツッコミをいれられそうな場違いな歌を二人で口ずさみ、かなり不気味な雰囲気で三人目の相棒カズートと合流しに三重県に向かっていた。
カズート。彼は好青年である。アニキらとは合歓の郷で知り合った。顔もいいし、性格もとてもいい。でも、彼女がいない。何故なのだろう。おとなしいからなのだろうか。しかし!レースになるとアグレッシブな走りでKTカートでも優勝経験をもつ青年だ。ただあんまりアグレッシブすぎて不思議なところでコースアウトする。どう考えても理解できないところで飛び出すのだ。ちなみに合歓の郷では彼の名前がついたコーナーがある。それくらい激しい走りをするのだが普段はとても大人しい。アニキらは彼を餌にお姉ちゃんと知り合うのをもくろむのだが、うまくいかない。ひょっとして性的に欠陥があるのだろうか?誰か紹介してやってほしい。そいで欠陥があったら教えてほしい。つきあいかたを考えるから。しかし今回、合流地点でのインターチェンジから1台の車でいくのだが、当然、彼の車は2日間ほどほったらかしである。盗難、車中荒しに出会う可能性もある。すると彼は自分の車ではなく、当り前のように親の車に乗ってきたのである。案外したたかな奴であった事が今回明らかになった。来る前に家族ともめたらしい。やはり内面はアグレッシブだ。

「おーー牧場は緑。歌を。。。。。。。」
今は真夜中である。だから他に唄う歌あるだろう!っとツッコミを更に入れられそうな的外れな歌を、今度は3人で歌いながら名古屋より中央道にはいっていく。時計を見るとすでに夜中の2時近くになっていた。すでに交代で運転するためにカズートが運転してアニキとケロヨンは後ろの座席をフルフラットにして横になっている。ケロヨンはすでにイビキをかいている。寝付きのほんといい男なのだ。アニキとは長いつきあいだが、どこでも寝れる!気がついたら寝ている。一度、二人で夜どおし遊んで入ったうどん屋で、うどんを箸ですくったまま寝ていた事があった。きっとどこかにスイッチがついていて、誰かがスイッチをきってるのではないか。。。最近疑いはじめてるアニキであった。
さて、DX杯は今回二度目である。前回は一月。コース路面が凍結していたような状態で、結構ビビリながら走ったので消化不良な感じがしていた。前回タイムはそんな中で、他チームと比べても案外いい方だった。トップタイムとは約一秒くらい違っていたが、初めてのコースで体重差を考えれば合格といえるだろう。よって2回目の今回は明らかにトップを狙うべきだろう。一つ一つのコーナーを思いうかべながらイメージトレーニングするアニキ。となりでケロヨンが寝ている横で、何周も何周も頭の中でコーナーを削っていくのである。第一コーナーから高速第二コーナーへ、うまくまがりながら第三コーナーに。突っ込みすぎずにクランクに狙いを定めて進入する。クランク出口からちょっとアクセルを抜きながらバックストレートに。。。
「おわっ!」
いきなりとびあがるアニキ。どうやらヘアピン手前でスピンしたようだ。すごい想像力だが、なにかおかしい。

「晴れーーーた空ーー。そよーぐ波ーーー」
なんどもいうようだが、この時点で夜中の5時くらいだ!すでにカズートと運転を交代して、アニキがハンドルを握っていた。後ろでは相変わらずケロヨンがグーグー寝て、カズートも眠りにつこうとしていた。ところはちょうど山梨に入ったところ。

ジャ、ジャジャーーーーーージャ!!
いきなり大雨である!それもとんでもない嵐だ!
びっくりする事だが、雨で前が見えないのだ。いくらワイパーを早く回してもついていけない程の大雨!だいたい120キロで飛ばしていたときだからあぶない、あぶない。もう60キロ台に大減速である。まわりに車が走ってなくて幸運であった。
「フッ、これくらいの雨で走れなきゃ、プロのレーサーとは呼べないぜ」
誰も聞いてない!カズートは聞いたかもしれないが、聞こえないふりをしていた。
このアニキ。お金もらって走った事なんて一度もない!考えもできない。むしろ頼れもせんのにマルボロのワッペンを買ってスーツにつけて、タダで宣伝しているのである!どうやら妄想癖があるようだ。

猛烈に振り出した雨の中、自称プロレーサーのアニキの運転で苦闘の中、なんとか7時くらいに東村山に一行は着いていた。。。。

うん!なんで東村山なんだ?

アニキはおぼろげながら東京の地図と飯能までの道のりを頭で描いてみた。たしかにナビどうりにここまでやってきた。でも、なんか違う。確かにここらは全然地理感覚がないし位置関係もおぼろげなのだが、なにかが違う。ラルゴにつけてある「シャープのナビ(後付け)」のいうとうりにきたのだが。ただコイツちょっとおかしくって、地名検索ができないうえに検索時間がやたらとかかるのだ。目的地を選ぶのにわざわざ、あの小さな画面の中で地図検索しなくってはならない。うーーん。困ったもんだ。
そんな事を考えながら、ナビをいじってる間に雨足がさらに強くなってきた。もう、嵐に近い。道行く人らはズボ濡れである。傘なんかなんの意味もなかった。時間にして8時。「あらー、今日は中止かもしれんな」と、かなり不安になってくる。

ああ、DX杯中止になったらなんのためここまできたんだ。
ああ、なんで俺は東村山にいるんだ?
ああ、明日はホームラン打てるかな????

たたきつけられるような雨の中、アニキはかなりナーバスになってきた。
そうこうしてる間に、目の前で牛丼屋を発見。思いっきりよく寝たケロヨンと少し寝たカズートをたたき起こして腹ごなしへ入る。
「神戸の松屋」
なんとも胡散くさいネーミングである。だいたい神戸が発祥の地と書いてあるが、神戸でこんな店見た事ない!松屋というのも多分松坂牛くらいからでたのだろう。牛といえば神戸牛、松坂牛。ひっくるめたようなネーミングが実に胡散臭い。そんな事いったら但馬牛の立場はどうなるんだ!っとわけのわからん抗議を胸にアニキは飯を喰ってた。ちなみに結構うまかった。

そんな時にアニキの携帯が鳴り響く。

「はい、もしもし」
「あ、**しもし**ケです」
「はあ?」電波状態が悪いので非常に聞き取りにくい。
「聞こ***です。ペケです」あーー、ペケさんだ。
そうである。レンタルDXに出没し、ホンダビートに乗っていて、実はF-1ビデオを鬼のように収集されているペケさんである。ちなみにたくさん送っていただきありがとうございました。このお礼は、見てもわからないFK-9の改造方法を教えるという事でよろしくお願いします(笑)。

話をもとに戻す。
「あーアニキさん。***、***、」
「はあ?」
「中止***中***」
「えっ」
「****らから***芸者**チャンチャンカ**」
プツッ。
電波が切れた。
なにを言っていたんだろう?
中止?DX杯の事だろうか?
しかし、あとの芸者チャンチャカはよくわからない。でもな、芸者はいいなー。うんうん。DX杯なくなっても芸者はいいなーー。うんうん。絶対いこう。っと妙な納得をしたアニキであった。

雨足は弱くならない。アニキはケロヨンとカズートと話をしながら、とにかく飯能にいってみようという事になった。もう、ここまできたら意地である。ひたすら飯能にいって走りたい。しかし、彼らは強くなる一方の雨足が恐怖をよぶとはこの時は想像もできなかった。

午前10時頃。東村山富士見台付近の陸橋をアニキたちを乗せたラルゴがのぼる。車がこんでいるのでなかなか前へ進めない。
「困ったなー。ここらこんなに混むところなのか」
つぶやくアニキのかたわらで歌われていたのは「スキー賛歌」である。まだ、盛り上がっていた能天気な一行だった。ただ不思議な事に途中でUターンする車が結構あるのだ。
車が進む。交差点が見えてきた。
「雪やーーまーーは呼ぶ。。。。うん?」
。。。。。。。
三人が見た光景は。
交差点が水たまりとなっているのはわかった。そこで雨の中、腰近くのあたりまで水につかって交通整理しているおまわりさんもいるのもわかった。ただ、なにか交差点に浮いてるのだ。
「。。。。何?」
「。。。。。。!Zや!」
「あっ!」
「フェアレデイZや!」
そこにはなんとスポーツカーのフェアレデイZが水没していたのだ。
「あーー。どうしよう」
「通れるかな?」
「うーん、Zは車高低いから水没するんじゃないか?」
その証拠にトラッククラスの車は、水に水没せずに交差点をくぐりぬけていく。
問題は乗用車である。
ラルゴは車高は高くなってるが、問題はエンジンの位置である。果たしてとおれるだろうか?
「おい、前で止まってる車。ラルゴだぞ」
目敏いケロヨンが交差点手前で、アニキらと同じようにいくか引き返そうかまよっているラルゴを発見。
「あの車がいけたら、いこう」
「うんうん。」

まつ事5分。
じっとまってる間に気がついた。前のラルゴのバックミラー越しにラルゴの運転手がこちらを見ている事を。
そう、彼らもこちらがいくのを待っていたのだ!
「あらっ、困ったな、どうする?」
「こうなったら根比べだ」
ケロヨンのなにか間違ってる一言で決まった。
。。。1分、2分、3分。

しびれをきらした、前のラルゴが飛び出した。猛然と池と化した交差点に突っ込む。おまわりさんも不安顔だ。

バッシャーーン。水煙があがる。
バシャ、バシャ。突き進む。
交差点の中頃まできた。
プーーーー。ププ。シュルルーー。

流される。
そのまんまフェアレデイZとごっつん。
助けようがなかった。

「。。。。」
沈痛な空気といかなくってよかったという安堵感で、アニキがUターンをした時。。。。
陸橋に立ち並ぶ、乗用車らが一斉にUターンをしていた。
皆がモルモットを探していたわけね。なんか悲しくなりましたわ。勇者に幸あれ。


さて、遠回りをしながら飯能への道を直走るアニキらであったが、入る道、入る道が洪水のようになっていた。先ほどの交差点ほどではないが道路が水びだしである。走っていて感じたのだが、これだけ道路が水びだしだから床下浸水してるだろうなーっと思っていたら、見る家、見る家がギリギリのところで大丈夫なのだ。よくみると床下の土手をどの家も盛り上げているだ。川も氾濫していて下水道さえも濁流に流されているにもかかわらず、床下浸水がないって。。ああ、東村山から飯能にかけて浸水地域なわけなんだ。だから防災方法が徹底しているんだっと妙に感心してしまった。自分らが流されそうになりながら、安全第一!家内安全と取り合わせのない単語が頭をよぎる。この時歌っていた歌は
「口笛は何故、遠くまで聞こえるの、あの雲は何故、遠くまで。。。」
ハイジであった。もう大雨の中やけくそでヨーロレイホーーである。

そうこうしてるうちにラー飯能近辺までたどりつく。時間はすでにお昼くらい。
赤沢に流れる川は、氾濫状態。入ったら絶対流れます!ええ。間違いなくあの世いきです!というとんでもない流れで、山あいの水ぬき穴からジェット噴射しているのか!というくらい水の放出が激しい。川にかかっている橋もなんかすごく不安な感じがしている。雨足はあいかわらずでラー飯能手前の橋をくくるときも結構怖い感じがしてしまった。

でっ、とうとう、やってきました。ラー飯能!
着いてしばらくケロヨンが車を止める場所にとまどう。
「なんで?早く止めようよ」
「いや、雨に濡れないとこ探してるの」
こいつは馬鹿か!
こんな大雨の中、濡れずにいけるとこがあるのか!

なんやかんやと受付入り口前に駐車。普段なら苦情もんである。
さっそくあたりをうかがう。DX杯関係者はいないかな。


いない。

当り前である。こんなアドベンチャーな天候ではいない。私らは知らないからこれたのである。(ちなみにこの後、命しらず?な確信犯な方らが何名かこられました。笑)
で、とりあえずコースを見にいこうとする。

ケロヨンがこない。
「どうしたん」
「いや、雨に濡れるから」


おまえはナメクジか!!

長いつきあいだが、いまだにわからんところがある。どうやら服が濡れるのを嫌ってるらしい。こいつは信じられないくらいのモッタイナイオバケを飼っている。(ちなみに、性格がおかしいという事をいうと、彼は必ず君には負けるという。なんの事だかさっぱりわからない)
むりやりケロヨンを連れ出して二階喫茶室からコースを眺める。
案の定、水びだしである。もう上でみていても池になっている所が何箇所か見える。
最初は見ているだけですまそうとしていた。しかし、コースを眺めている間にふつふつとこみあげるもんがあった。
俺たちはここまできたんだ!
8時間以上もかけて、大雨の中ここまでたどりついたんだ!
このまま帰るのか。おうっ、帰るのか!

ヤンキーラルゴの尻を振らせながら、シャープのナビにだまされてきた道のりが走馬灯のように駆け巡る。何故かはわからないが、アントニオ猪木のテーマである「イノキボンバーウェイ」が頭に響く。

ガンバレ猪木!
ガンバレ猪木!
ちゃーちゃん。ちゃーっちゃん。

プツッ。
アニキのなにかが切れた。

「うっしゃー!走るぞ」
ケロヨンの眉がピクッと動いた。
カズートは走る気はあるみたいだ。
見ればちょうど三台、レインタイヤを履いたカートがおいてある。

「カッパあるのかな」カズートがつぶやく。
「カッパ?そんなもん着ても水びだしだ」
「?」
「レーシングスーツを着るんだよ」
「!」

ケロヨンが逃げる態勢に入る。
おっと、逃がさないアニキ。
「いや、俺、見てるだけで。。。」
「着替えるんだよ」
なめ回すような口調であった。つかんだ腕はしっかりはなさない。
すでに視線はどこを見てるかわからない目をしていた.

アニキは切れていた。
すでに猪木にとりつかれていた。二人を力まかせに着替え室にほうりこむ。
「スーツをだせ」
「いや、あの僕のスーツ、ワッペンが皮でできているので」カズートが最後の抵抗を試みる。
「ふーん。俺のスーツはFポンでアグリのとこで走っていた時の奴だよ」(大嘘。でも、確かにアグリが着ていた)
「そんなあほな」
「うっせい!脱ぐんだよ!」
出口に走り出すケロヨン。すかさず、手をつかみ握った反動で自分にたぐりよせるアニキ。
「へへ。それとも、俺が脱がしてやろうか」
ケロヨンの耳元で威圧をこめて囁き、すでにその手はシャツのボタンをはずしにかかっていた。
「やめろ、やめてくれ」
「へへ。ジタバタするんじゃないよ」
「あっ。」
そのおぞましき光景に圧倒されたカズートは、そそくさそ必死にスーツに着替えるのであった。

ヤマハワークスのオニューのスーツに着替えさせられたケロヨンを引き連れ、アニキらはコースにいく。レーシングスーツどころではない。皆、皮のレーシングシューズである。なにかが切れていた。
コースは水たまりどころではない。池ができている。雷鳴が遠くで響いている。

ブルン、ブルン。
「ひゃっほーーーーーーー!」

誰からともなく奇声がはっせられ、水しぶきをあげる。前がみえないくらいの飛沫が舞い上がる。路面に降りつける雨はやむことなしに、さらに水かさが増しているようだった。水に飛ぶこむ。スピードがゆるむ。リアが流れる。アクセルを吹き上げ、さらに水たまりに突進する。飯能のコースは斜面になっており、第一コーナーから第二コーナー、クランクを抜けたあたりがとくに池のようになっている。ストレートをノーブレーキで突進する。人よりも高い飛沫が舞う。落ちたスピード、流れるリア。そのまんま縁石の向こうに飛び出す。おかまいなしに第二コーナーに突っ込む。それを幾度もくりかえす。水にたたきつけられたエンジンが悲鳴をあげる。クラッチが異常音を示す。失速、加速を繰り返し。蒸気がたつ。男たちは狂ったようにバトルを繰り返す。レーシングスーツはびしょ濡れどころではない。すでにパンツの中まで湿っているのがわかる。シューズの中もグローブの中も、全身がプールに飛び込んだ感覚になっている。
踏むアクセル。きかないブレーキ。シールドは豪雨がもたらす雨粒で前が見えない。
それでも走る。ひたすら走る。
楽しかった。
日がさしたなら、飛沫のむこうに虹が見えただろう。いまさら、雨も、水も関係なかった。


後記
アニキは勝手な男である。飯能で走って気がすんだのだろう。
彼は一言「帰る」といいただけで、ケロヨン、カズートを引き連れさっさと帰ってしまったのだった。
気がすむと終る。なんとも我がままな奴である。ちなみに女性に対してもそうであったらひどい奴である。猛省をうながすものである!

あっ、それから帰りの歌はウインクでした(笑)。


アニキ
「いやーー、雨の中で走ったのはスパ以来かな」
と誰も信じない大嘘を平気でこくアニキさん


ケロヨン
「で、DX杯はどうなったの?」
っと最後まで場違いな発想をしていたケロヨンさん


カズート
「いやー、東京ってすごいですね。いつもこうなんですか?」
と田舎者まるだしの発言をするカズートさん


豪雨のラー飯能攻略法

まず図を見て下さい。マジックで丸く線を書いている部分が池になっているところです。普通、雨の日ですんでレインタイヤはめてますから、ハンドルはきいて曲がるんですが。水にとびこみますと失速どころじゃございません。へたしたらエンジンかぶって止まります。はい、皆さんもうおわかりですね。大雨の日はいかに池をくぐるのかがポイントですね。これは大切なところです。チェックしましょう。
では具体的にどう走ればいいのか。おってご説明いたします。
まずストレートがございますね。もう気持ちよく走ちゃってください。アクセル全開です。すると第一コーナーすぐに池がありますね。もうかまわずアクセルふんじゃって下さい。すると水飛沫がバッシャーーンというくらいはねますね。全然怖くないですよ。全開で突っ込んでも池で失速しますから。するとリアが流れます。これも全然怖くありません。かまわずふっとんじゃってください。するとコースの縁石を飛び越え縁石の向こうにいっちゃいます。これが狙い目なんですね。第一コーナーをすぎますとさらに大きい池がありますよね。これはコースをまともに走っていたら、加速もへったくれもなくなります。そうです。縁石の向こうから最短で池を抜けられるんですね。だから縁石とびこえたら最短に池をよこぎるように突っ込んじゃってください。全然OKです。すると第二コーナー過ぎると、また池がありますね。これはよける場所がございません。腹を決めてもう素直に突っ込んじゃって下さい。もう、飛沫を上方向に3メートルは飛ばしちゃいましょう。そこらの遊園地の「急流滑り」なんざ目じゃないくらいの爽快感を味わってください。続いて第三コーナーがありますね。普段は三コーナーをイン-アウトからクランクめがけていきおいつけるんですが、もう池でバンバン失速しているんで、イン-インと距離を稼ぎましょう。もう絶対お得です。クランクを過ぎますと最大の池がまってます。もうこれもさけようがありません。突っ込みましょう。逃げようとか避けようとか姑息な事を考えちゃいけません。とにかく突っ込みましょう。それが人生ってもんでしょう。ただ、ここまできますとエンジンが止まるかもしれません。その時は前世で善い行ないをしなかった報いと諦めましょう。ええ、きれいさっぱりと。次はきっと素敵な彼女が見つかりますって。。。あれっ?違うな。。。気をとりなおして。ハトコーナーを抜けますと裏ストレートです。失速に負けずにアクセルふかせましょう。もういけるとこまでガンガンと。すると裏ストエンドにさしかかります。普段ならここで急に角度変えてアウトにもっていこうとするのですが、よく見るとそちらに池ありますね。はまったら失速です。仕方ないのでイン狙いましょう。するとヘアピン見えますね。このヘアピンのイン側水がたまってるように一見見えます。ところがこいつがとんでもないハッタリ野郎で、全然問題ありません。踏みつけるようにイン通ってください。ええ、怒りをこめてかまいません。さあ最終コーナーです。もうここまでくれば大丈夫ですね。ただできるだけ最終コーナーをなめるようにストレートで加速つくような角度で入ってください。ストレートスピードが伸びますし、あの第一コーナー先の池に気持ちよく飛び込めます。もう尻ふってコレもんです。エクスタシーを感じながらドリドリ決めてください。もうやみつきになりますよ。
私はこれで50.2秒をたたきだしました。みなさんも努力次第で50秒の壁を破る事ができるでしょう。栄光のハードレインマスターの称号は貴方の頭上に輝くでしょう。レッツトライ!